時折ネットニュースなどで「ライブコマース」といった言葉を見かけたことはありませんか?
ライブコマースはまだ日本であまり浸透していないため、身近なものとして考えられない人もきっと多いことでしょう。
しかしそんな中でもすでに着手しているライバーが一定数おり、巷では注目を集めているのも事実。
ライブ配信アプリが爆発的な人気を誇る中国では、ライブコマースがビジネスの一環として社会現象を巻き起こしているくらいなのです!
いずれ国内でもブームになることが予想されていますよ。
ライバーをやりたい・続けたい・稼ぎたいならライブコマースに関する知識をつけておくと、他の人より一歩リードできるかもしれません。
詳しく解説していきますので、興味がある人は今のうちに要チェック!です。
目次
ライブコマースの意味を知ろう
ライブコマースとはライブ配信を利用して、ユーザーの商品購入を促す新しいカタチの販売方法です。
よくテレビで通販番組を見かけるとは思いますが、物凄く簡単に言い表すなら、テレビ通販のオンライン版といった感じ。
ただし通常の通販番組よりも、素人や一般ライバー、アイテムを販売する企業自らが商品をアピールすることで、より一層消費者の心を動かします。
録画ではなく、生配信というのもポイントですね。
一方的に商品を紹介するのではなく、配信によるコメント機能で質問や疑問にすぐ答えられる点も大きいと言えるでしょう。
ライブコマースは専用のアプリやSNSアカウントのライブ機能を扱うなど、在り方は様々。
ネット上でアイテムやサービスを売買する、いわゆる「EC」の中でも、購入率が群を抜いて高いと言われています。
中国でのライブコマース事情
中国では2016年頃あたりから浸透し始め、今ではライブコマースを利用した買い物が一般的です。
配信にて2019年には日本円で約6.9兆円(!)程度のお金が動いており、2021年には30兆円をゆうに超えることが予想されています。
偽物があちこちに溢れ返っているからこそ、国民はネットショッピングをする際は物凄~く慎重になるのだそう。
偽物に引っかからぬよう、購入するからには入念な口コミチェックを欠かさないのが既存ユーザーの動きでした。
通販ページだけでは嘘の画像も複数載せられますからね。となれば信用度はどうしても上がりづらいものです……。
ライブコマースを導入するようになってからは、問題とされていた“信用度”が大幅に改善され、リアルに商品を確かめられることが消費者への安心へと繋がったのです!
主に網紅(ワンホン)やKOL(KeyOpinionLeaderの略)といったインフルエンサーや、アイテムを販売する企業の営業促進部、ライバー、一般市民など、ライブコマースで活躍する人物は多岐にわたります。
現在は中国国民にとっては欠かせない購入手段の一つにまで上り詰めました。
淘宝網(タオバオ)や天猫(Tmall)が超有名プラットフォーム
先ほど「ライブコマースは専用のアプリやSNSのライブ配信機能を利用する」と書きましたが、その元祖・プラットフォームが淘宝網(タオバオ)や天猫(Tmall)です。
これらはAliExpress(通称・アリエク)などを展開するアリババグループの傘下によるサイトで、60万点以上のアイテムを配信にて購入可能。
日本で言うところのAmazonのような存在であるため、商品のジャンルは本当に様々ですね。
以前はファッションや美容系など女性向けアイテムが人気を博していましたが、現在は食品なども注目されていますよ。
現在大人気の抖音(ドゥイン)や快手(クァイショウ)も
淘宝網(タオバオ)のようなECサイトとは違い、これらはエンタメ系として登場したアプリです。
元々はショートムービーを楽しむものでしたが、配信機能が搭載されてからより一層大きな盛り上がりを見せました。
そしてインフルエンサーなどを使用したライブコマースへと成長を遂げ、今ではアリババグループのECサイトと肩を並べるほどの人気を誇っています。
抖音(ドゥイン)や快手(クァイショウ)は若年層からの指示が圧倒的に高いため、更なる発展が期待できることでしょう。
特に快手に関しては素人ライバーの参入も多く、自身で栽培した花や作物、ハンドメイド商品の販売も目立っています。
抖音や快手についての基本的な情報は、以下をご覧ください。
中国版TikTok「抖音」とは?日本版との違いやダウンロード方法までを解説! 中国で大人気の快手とは?アプリの登録方法や基本的な使い方を知ろう日本でのライブコマース事情
さて、中国では国民の間で素晴らしき立ち位置を築き上げたライブコマースですが……日本ではどうでしょうか?
正直なところ国内では“ライブコマース”という言葉を認知していないケースも多く、目覚ましい発展を遂げていないのが現状だと思います。
2017年あたりに参入した企業もいくつか見られましたが、あまり結果が出せずサービスを終了してしまったプラットフォームやアプリも。
日本では現在、どのようなプラットフォームでコマースが行われているのか一緒に見ていきましょう。
Instagramでの配信、通称“インスタライブ”が認知度ナンバーワン!?
日本人にとって「ライブ配信で販売」と聞けば、やはり思い浮かべるのはInstagramでしょう。
インフルエンサーだけでなくアパレルブランドプロデューサーなどが日夜配信を行い、商品をPRしていますよね。
ライブ機能だけではなく写真や動画を投稿できることから、消費者へ情報やアイテムの魅力をたっぷりとアピールすることも可能。
インスタライブを観て興味を持つ→商品への購入、といった流れはずいぶんと一般的になりました。
しかし日本版Instagramの弱みは配信中の購入が不可能である点です。
外部リンクに飛ばす、配信終了後にしか購入できないといった不便さはありますが、今後はこの部分が改善されると囁かれているのが現状。
国内ライブコマースが大きく発展するにはインスタライブがきっかけとなり得る、そんな可能性を秘めているのです。
SHOW ROOMなど、話題のあのアプリもライブコマースに参入中
ライブ配信アプリとして有名なSHOW ROOMも現在ライブコマース機能を導入しました。
機能を利用できるルームはまだまだ限られるものの、PCサイトやスマホアプリ上で商品がゲットできるのは大きな魅力と言えますね!
対応するルームも随時拡大しているようなので、使い勝手の良いライブコマースのサービスとして名を挙げる日は近いでしょう。
そして企業側が配信を行う上で注目したいのが、Yahoo!ショッピングLIVE。
現時点では法人のみが配信でき、自社で扱う様々なアイテムの紹介やPRを行えます。
中国でも企業側の参入が目立っていることから、このサービスは国内でもいずれ話題となり得るのではないでしょうか?
Yahoo!ショッピングはソフトバンクやPayPayユーザーへの特典も多いため、ライブコマースとして発展すれば、様々な方面への成長も期待ができるはず!
日本でも徐々に動きが見られているので、今のうちに注目しておくとGoodです。
ライブコマースを活用するメリット・デメリットについて
商品の販売総数や知名度をアップさせ、大きな利益へと直結させるのがライブコマースを活用する最大のメリットです。
今までにない販売方法を取り入れることで消費者の気持ちを揺さぶるほか、ネット通販に対するハードルを大きく下げる効果もあるでしょう。
しかし良いことだけでなく、デメリットも複数存在することを忘れてはなりません。
メリット・デメリットをしっかりと心得てから挑戦・あるいは利用することをオススメします。
ライブコマースを活用するメリット
①ライブ配信による臨場感で購入意欲もUP
「通販番組を観ているとついつい買いたくなる……」という人はとても多いですよね(笑)
先ほども説明しましたが、この“臨場感”とはとても大切なもので、通販番組よりも商品紹介が一方的に進まないのが嬉しいポイントです。
消費者からの質問があれば回答し、コミュニケーションを取りながら行っていくことで、双方の信頼も作りやすいもの。
実際に愛用しているインフルエンサー、開発者が表だって魅力を伝えるからこそ、説得力も十分に生まれるのです。
②様々な客層を取り入れやすい
人気インフルエンサーの起用や流行のアプリを利用すれば、当然多くのユーザーの目に留まります。
このことから今までの顧客にはいなかった層を狙えるため、より認知度や売り上げの向上に大きく影響が出てくるのです。
特に人気インフルエンサーやタレントを起用した場合、そのファンが必ずついてきます。
「○○さんが紹介しているなら……」といった理由で商品を購入してもらえる機会も増えるので、自ずと販売総数などもアップしていくといった感じでしょうか。
今まで苦戦していた層へのアプローチもスムーズになることが、ライブコマースの強みとも言えますね!
③ユーザーの声に寄り添える販売形態
ライブ配信アプリでは「アーカイブ」といった機能が備わっていることがほどんどです。
そのため「見逃し配信」のようなことにも対応していますから、いつでも商品の良さをチェックできるのも良いですよね。
そして今までの紹介の仕方を改善したい時、「どうすれば良いか?」をリアルタイムでユーザーに尋ねる配信もアリでしょう。
オンラインを通じた「商品企画ミーティング」のようなものを開催し、消費者の声を取りいれた企画・開発が積極的に行えるライブコマースならでは。
テレビ放映のように放送後に意見をもらう、などのタイムラグもないため、すぐに商品へ反映させられるのです。
ライブコマースによるデメリット
①ライブ配信だからこその怖さ
リアルタイムで商品の良さをアピールできる点が最大の強みですが、それは時にデメリットになり得ます。
生配信だからこそ、言動には細心の注意を払わねばなりません。
録画のように編集がききませんから、うっかり失言をしてしまった、問題を起こしてしまったなどのトラブルが起きれば、当然信用はガタ落ちです……!
また商品を売りたいがあまり配信を始めたはいいものの、きちんと魅力をPRできなければ消費者の心に響きません。
ただ「良いですよ」「おいしいですよ」「みんな買ってますよ」ではなく、理由付けをした上で良さを伝えるのはそう簡単なことではないはず。
こういったことから参入をしても泣く泣く撤退したり、失敗して売り上げに伸び悩むケースは決して少なくないのです。
②ライバーの技量やファン層が関係してくる
人気タレントやインフルエンサーをライバーとして起用する場合、彼らの技量やファン層も大きく関係してきます。
例えば女性向けの商品を人気グラビアアイドルに紹介してもらっても、ファンの8割以上が男性なら購入にはなかなか繋がってくれません。
いくらフォロワーが多い、知名度が高いといっても、100%満足のいく結果が残せるかは未知の領域でしょう。
そして実際に紹介してくれるライバーさんの技量も重視すべき部分です。
生配信では様々な質問にも答える必要がありますから、あまりに知識が薄い、使い込んでいないととコアな内容のコメントが拾えなくなってしまいます。
そして①で説明したように信頼度が下がってしまう……といった悪循環にも陥りやすいので、ライブコマースはメリットばかりではないことが分かりますね。
③中年~シニア層を狙うのが難しい
中国のようにライブコマースが一般化してしまえば、広い年齢層へのアプローチはそう難しくありません。
現に快手では地方に住みながら農家を営む老夫婦の配信者なども多く、アプリそのものが若年層だけに支えられているわけではないからです。
しかし日本だと通販おろか、ネットショッピングに抵抗感を抱く人はまだまだ一定数いるでしょう。
スマホを所持していないケースだってありますから、となればライブコマースへ辿り着くまでが一苦労なのです。
30代以降に狙いを定めたサービスも登場しているものの、まだこの年齢層を完全に取り込むには時間がかかるかもしれないですね。
日本でのライブコマースはどうなっていくのか?
まだ国内では「ライブコマース」の単語を浸透させるところから始める必要があります。
言葉の意味を認知してからがようやくスタート、であるかもしれません。
しかしコロナウイルスの影響により、ネット通販へ抵抗感を覚える人が徐々に減ってきていることは確かです。
出かけなくても買い物ができる、その魅力にようやく気付いた国民は増えました。
発展途上である点は否めませんが、YouTubeやインスタライブもメジャーとなってきているので、ライブコマースが急成長を遂げる日は近づいているでしょう。
その時はもしかすると、YouTube以上の大ブームとなっているかも……?果たして今からどうなるのかが、非常に楽しみですね!
大きな発展を見せるライブコマース、今後の成長に期待しよう
中国で爆発的な人気を誇るライブコマースは、いずれ日本でも浸透する日がやってくるでしょう。
日本で提供されているサービスに触れてみるのも良いですし、中国のアプリをダウンロードして視聴するのも良い勉強となります。
ライバーとして食べていきたい、インフルエンサーになりたいなどの夢があるのなら、ぜひこの新しい販売方法について知っておいてください。
きっとあなたの活動において、いつか必ず役に立つはずですよ!